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俳句の部審査委員長・講評:松澤昭先生 代理:松澤雅世先生
| ふるさとは時にシリウスより近し | 芹澤 美香子様 |
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| 「ふるさとは遠くにありて思うもの」の概念を根底にして 着想された作。 シリウスに視点を置いて、望郷の揺らぐ心理 を巧みに表出しています。 |
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| 萱刈れば故郷の山の匂ひして | 福島 ツユ子様 |
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| 秋、屋根を葺く材料の萱を刈る。その匂ひから故郷の山を 呼び起こした発想の手柄です。 故郷には、大きな萱葺き屋根 の家があるのでしょう。 |
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| ふるさとへばかり落葉のしきりなる | 石井 長子様 |
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| 眼前に散りしきる落葉。その風景を故郷へと広げたイマジ ネーションの見事な御作です。 | |
| 草矢打ちとどかぬところふるさとか | 塚越 美子様 |
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| 「草矢打ち」の遊びから、故郷に向けられた詩心の自在さに 感嘆します。 | |
| 短日や山は記憶となってゆき | 広井 美津子様 |
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| 作者が幼い日々を過ごしたであろう山河は、だんだんと記憶 の中だけの存在となる。 故郷という言葉を使わずに読み手に訴 求する手柄となっています。 |
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| 夕焼けの赤より赤し曼珠沙華 | 安部 磯信様 |
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| 「夕焼け」と「曼珠沙華」の対比が上手く描かれています。 「赤より赤し」の表記に工夫が欲しいところです。 |
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| 稲架襖誰も通らぬ里の道 | 末次 哲様 |
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| ドリーネは山の笑窪や葛の花 | 本田 しげる様 |
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| ひなげしのそのままでゐてほしいのよ | 小峰 八重子様 |
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| 稲掛けに遠の山かげ黒々と | 瀬藤 芳郎様 |
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| 冬山河住めばみやこといふ眺め | 山口 文一様 |
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| なまはげの夢を見みているいつからか | 久安 一代様 |
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| 道草に叱る人なし秋灯 | 中山 文子様 |
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| はみがきのにおいをさせる白鳥湖 | 的場 俊作様 |
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| 父の声しかとまじりて雪起し | 佐々木 克子様 |
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| むささび飛んでガキ大将になつてゐる | 広井 和之様 |
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| 雪山に動くものみないとほしむ | 菅谷 和夫様 |
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| 秋耕になじみのふかき山かたち | 鈴木 夏子様 |
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| 水満ちて田んぼやさしくなつてゐる | 伊東 類様 |
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| 草笛の水うつくしく人となる | 松田 貞男様 |
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| 切り株によいしよと掛けてより小春 | 小峰 八重子様 |
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| 木の実降る弓道場に人気なく | 井手口 恵美子様 |
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| 肩からの力抜けたり捨案山子 | 黒田 利男様 |
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| 菊の香やここがふるさと都電来る | 山中 正己様 |
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| 枯れ兆す木木の戻れるところなし | 石井 長子様 |
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| ふるさとは一つでよろし木守柿 | 塚越 美子様 |
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| 呼び込みの声嗄(しわが)れし街師走 | 吉田 利輝男様 |
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| まるくなる背なにのつかる寒波かな | 廣井 喜美子様 |
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| 年の暮 ふるさと今年 如何ばかり | 東 良竿様 |
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| 咳こんとよく働いてゐる背中 | 伊東 潔様 |
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| 菱の実を煎じし母をふと憶ふ | 小野 泰之様 |
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| 軒先に吊してありぬ冬野菜 | 中村 喜代子様 |
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| オランダ坂斜めに登るしぐれ傘 | 米光 徳子様 |
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| この先も三人三様味噌おでん | 愛甲 知子様 |
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| 冬の山てつぺん哲学じみてゐる | 山口 文一様 |
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| 父母の雪の重さのふる里よ | 久安 五劫様 |
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| 風船の生きのいい奴追いかける | 的場 俊作様 |
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| 鮭打ちし棒夕闇をしたたらす | 佐々木 克子様 |
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| 里山のとかす絵具の数多し | 長谷川 みゑ子様 |
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| 雪川の伸びるところで手紙書く | 伊東 幸子様 |
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| 歌声に枯葉も踊る空高く | 鈴木 伸子様 |
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| 寛ぎや山の錦とせせらぎと | 長井 清様 |
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| 木の実独楽廻せし友を主治医とし | 金子 満男様 |
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| 猪の人より先に芋掘つて | 豊福 真弓様 |
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| 落蝉の末期の水か通り雨 | 金山 文江様 |
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| 老斑の輝いてあり里神楽 | 戸川 晟様 |
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| 包丁を研ぐとは涼風の中の父 | 伊東 幸子様 |
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| コスモスや通院の道変えてみる | 後藤 満壽子様 |
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| 菜の花や北緯四十度の岬 | 土屋 博様 |
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| ねむの花義母(はは)のまぶたをゆりおこす | 長谷川 みゑ子様 |
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| 武蔵野や欅落ち葉を急がれる | 佐藤 節子様 |
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| 今年こそ帰ろうかなと年の暮れ | 松岡 千津代様 |
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| 夏の父油まみれをちらつかす | 伊東 類様 |
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| 稔田に赤のテープの張られをり | 木村 清江様 |
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| 鈴なりの柿の色づく宇佐の里 | 上村 宏様 |
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| 小流れに紅葉筏の下りをり | 金山 文江様 |
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| なみなみと茶碗に注ぐ濁り酒 | 木瀬 連花様 |
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| 寝むる子も法被着せられ秋まつり | 東 泰様 |
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