第4回ふるさとテレビコンクール

--- 俳句の部・結果発表 ---                       写真の部/受賞作品へ

俳句の部審査委員長  講評・松澤 昭先生 代理 松澤 雅世先生

ふるさと大賞(会長賞)

ふるさとは時にシリウスより近し
芹澤 美香子様
「ふるさとは遠くにありて思うもの」の概念を根底にして 着想された作。シリウスに視点を置いて、望郷の揺らぐ心理 を巧みに表出しています。

特別顧問賞

萱刈れば故郷の山の匂ひして
福島 ツユ子様
秋、屋根を葺く材料の萱を刈る。その匂ひから故郷の山を 呼び起こした発想の手柄です。故郷には、大きな萱葺き屋根 の家があるのでしょう。
ふるさとへばかり落葉のしきりなる
石井 長子様
眼前に散りしきる落葉。その風景を故郷へと広げたイマジ ネーションの見事な御作です。
草矢打ちとどかぬところふるさとか
塚越 美子様
「草矢打ち」の遊びから、故郷に向けられた詩心の自在さに 感嘆します。
短日や山は記憶となってゆき
広井 美津子様
作者が幼い日々を過ごしたであろう山河は、だんだんと記憶 の中だけの存在となる。故郷という言葉を使わずに読み手に訴 求する手柄となっています。

副会長賞

夕焼けの赤より赤し曼珠沙華
安部 磯信様
「夕焼け」と「曼珠沙華」の対比が上手く描かれています。 「赤より赤し」の表記に工夫が欲しいところです。  
稲架襖誰も通らぬ里の道
末次 哲様
ドリーネは山の笑窪や葛の花
本田 しげる様
ひなげしのそのままでゐてほしいのよ
小峰 八重子様
稲掛けに遠の山かげ黒々と
瀬藤 芳郎様
冬山河住めばみやこといふ眺め
山口 文一様
なまはげの夢を見みているいつからか
久安 一代様
道草に叱る人なし秋灯
中山 文子様
はみがきのにおいをさせる白鳥湖
的場 俊作様
父の声しかとまじりて雪起し
佐々木 克子様
むささび飛んでガキ大将になつてゐる
広井 和之様
雪山に動くものみないとほしむ
菅谷 和夫様
秋耕になじみのふかき山かたち
鈴木 夏子様
水満ちて田んぼやさしくなつてゐる
伊東 類様
草笛の水うつくしく人となる
松田 貞男様

理事長賞

切り株によいしよと掛けてより小春
小峰 八重子様
木の実降る弓道場に人気なく
井手 口恵美子様
肩からの力抜けたり捨案山子
黒田 利男様
菊の香やここがふるさと都電来る
山中 正己様
枯れ兆す木木の戻れるところなし
石井 長子様
ふるさとは一つでよろし木守柿
塚越 美子様
呼び込みの声嗄(しわが)れし街師走
吉田 利輝男様
まるくなる背なにのつかる寒波かな
廣井 喜美子様
年の暮 ふるさと今年 如何ばかり
東 良竿様
咳こんとよく働いてゐる背中
伊東 潔様

俳句担当理事賞

菱の実を煎じし母をふと憶ふ
小野 泰之様
軒先に吊してありぬ冬野菜
中村 喜代子様
オランダ坂斜めに登るしぐれ傘
米光 徳子様
この先も三人三様味噌おでん
愛甲 知子様
冬の山てつぺん哲学じみてゐる
山口 文一様
父母の雪の重さのふる里よ
久安 五劫様
風船の生きのいい奴追いかける
的場 俊作様
鮭打ちし棒夕闇をしたたらす
佐々木 克子様
里山のとかす絵具の数多し
長谷川 みゑ子様
雪川の伸びるところで手紙書く
伊東 幸子様

オリックス株式会社賞

歌声に枯葉も踊る空高く
鈴木 伸子様

株式会社カプコン賞

寛ぎや山の錦とせせらぎと
長井 清様
木の実独楽廻せし友を主治医とし
金子 満男様
猪の人より先に芋掘つて
豊福 真弓様
落蝉の末期の水か通り雨
金山 文江様
老斑の輝いてあり里神楽
戸川 晟様

全国農業協同組合連合会賞:JA全農会長賞

包丁を研ぐとは涼風の中の父
伊東 幸子様

全国農業協同組合連合会賞:JA全農賞

コスモスや通院の道変えてみる
後藤 満壽子様
菜の花や北緯四十度の岬
土屋 博様
ねむの花義母(はは)のまぶたをゆりおこす
長谷川 みゑ子様
武蔵野や欅落ち葉を急がれる
佐藤 節子様
今年こそ帰ろうかなと年の暮れ
松岡 千津代様

全日本空輸株式会社賞

夏の父油まみれをちらつかす
伊東 類様

東日本旅客鉄道株式会社賞

稔田に赤のテープの張られをり
木村 清江様
鈴なりの柿の色づく宇佐の里
上村 宏様
小流れに紅葉筏の下りをり
金山 文江様
なみなみと茶碗に注ぐ濁り酒
木瀬 連花様
寝むる子も法被着せられ秋まつり
東 泰様

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